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奥歯(大臼歯)の虫歯を治療する場合、保険治療では原則として銀歯の詰め物や被せ物を使用します。しかし、銀歯はギラギラ光って見た目が悪く、金属アレルギーを起こす心配もあるなど、デメリットが多いです。銀歯の治療後に「やっぱり白い詰め物や被せ物にしたい」と歯を白くする治療をご希望になる方も少なくありません。
今回は「銀歯を使い続けることのデメリット」および「銀歯を白い歯にする方法(保険/自費)」についてわかりやすくご説明いたします。
なぜ銀歯をおすすめしないのか
保険の治療で用いる銀歯は比較的安価で丈夫、というメリットもあります。しかし、銀歯には以下のようなデメリットがあるため、あまりおすすめはできません。
銀歯の下でふたたび虫歯になりやすい(二次カリエス)
銀歯は自然の歯との密着性があまり良くありません。保険の治療で使用する接着剤も自費治療の物と比べて接着力が劣ります。
銀歯の詰め物や被せ物は経年劣化(早ければ半年)で歯とのあいだにすき間ができます。すき間ができると虫歯菌などの細菌が入り込んでしまい、銀歯の下でふたたび虫歯になりやすいのです(再虫歯=二次カリエスと呼びます)。
金属アレルギーになりやすい
銀歯の正式名称は「金銀パラジウム合金」です。銀だけではなく、金や銅、パラジウムやニッケルなどほかの金属も含んでいます。
これらの金属の中には金属アレルギーを起こしやすい物もあるため、銀歯の詰め物や被せ物が原因で金属アレルギーを引き起こす場合があります。
アマルガムの詰め物は水銀が入っており危険
昔、昭和から平成に変わる頃(1990年頃)まで、歯科治療ではアマルガムという金属が詰め物として使われていました。
アマルガムには水銀が入っており、人体に悪影響をおよぼす危険性があります。20~30年以上前に虫歯治療を受けた方で、銀色の詰め物がある場合は注意が必要です(アマルガムのおそれがあります)。
銀歯によって歯茎が黒くなることがある
銀歯を使い続けていると唾液の中に金属イオンが溶けだし、歯や歯茎が黒くなることがあります。
歯や歯茎が黒くなると見た目が悪くなるほか、金属アレルギーを発症するケースもあります。
このように、銀歯には見た目の悪さや健康上のデメリットが数多くあります。次の項からは、デメリットが多い銀歯を保険治療や自費治療で白くする方法についてご紹介します。
保険治療で銀歯を白くする方法
保険治療では銀歯の他、以下の白い詰め物や白い被せ物を選択できます。
CAD/CAM冠はCAD/CAMシステム(歯科医院の院内で詰め物や被せ物を作る装置)を備えている歯科医院での受診が必要です。
コンポジットレジン(保険の白い詰め物)
コンポジットレジンとは、保険治療で選択できる白い詰め物です。レジンというプラスチック樹脂でできており、奥歯にも適用できます。
ただし、強度が低いため、削った部分が大きい場合には適用できません。自費治療のセラミックより安価ですが、セラミックに比べて強度が低いです。汚れがつきやすく変色しやすい、というデメリットもあります。
CAD/CAM冠(保険の白い被せ物)
CAD/CAM冠(キャド/キャムかん)とは、保険治療で選択できる白い被せ物です。
プラスチック樹脂にセラミックを混ぜたハイブリッドレジンで作られています。親知らず以外のほぼすべての歯(前歯から奥歯まで)に保険適用で使用が可能です。ただし、大臼歯(奥歯)の場合は保険適用のために以下の条件を満たす必要があります。
- 第一および第二大臼歯(前から6・7番めの歯=奥歯)の場合、患者様の金属アレルギーを証明する診断書が必要(第二大臼歯は金属アレルギーがない方には保険適用できません)。
- 金属アレルギーがない場合、第一大臼歯については、ひとつ奥にある第二大臼歯が上下左右4本すべて残っていること(1本でも欠けていると保険適用できません)。
自費治療で銀歯を白くする方法
自費治療で銀歯を白くする主な方法はセラミックを使った詰め物、被せ物の治療です。素材すべてが陶器からできているオールセラミックをはじめ、人工ダイヤモンドから作られたジルコニアなど、セラミックにはさまざまな種類があります。
その点を踏まえ、以下にセラミックの詰め物や被せ物のメリット・デメリットをご紹介します。
セラミックのメリット
- 天然の歯の色や光沢、透明感を再現できる(ただし、ジルコニアや着色したステインセラミックは浮いたような白さが多少目立ちます)。
- 汚れがつきにくく落ちやすい(美しさを長く保つためには毎日の歯磨きと歯科医院での定期的なクリーニングが必要です)。
- 臭いがつきにくい
- 天然の歯との密着性に優れ、虫歯が再発しにくい
- 経年劣化による変色、摩耗が起こりにくい
- 金属アレルギーが起こる心配がない(メタルボンド<表側がセラミックで裏側が金属の被せ物>を除きます)。
- メタルタトゥー(治療時にでる金属の削り粉や被せ物から溶け出した金属イオンが歯茎に入り込んで歯茎が黒くなる症状)が起こる心配がない。
このように、メリットがたくさんあるセラミックですが、デメリットも存在します。
セラミックのデメリット
- 保険が適用できない(原則として、すべて自費治療になります)。
- 強い力、衝撃が加わると欠けたり割れたりすることがある(現在のセラミックは以前と比べ欠けや割れに強くなっています。特に人工ダイヤモンドのジルコニアは欠けたり割れたりする心配がほぼありません。しかし欠け・割れが100%起きないということではありません)。
- 欠けたり割れたりしたときの修理が難しい(作り直しになるケースが多いです)。
まとめ
保険治療で銀歯は一般的に使われていますが、見た目の悪さや健康上でのデメリットが多いです。再虫歯(二次カリエス)になりやすい点も良くありません。
保険治療のレジン製の白い歯は比較的安い治療費で済みますが、美しさと耐久性の面では自費治療のセラミックに劣ります。自費治療のセラミックは保険治療と比べると高額ですが、美しく白い歯を再現できる・再虫歯になりにくい・経年劣化しにくい・汚れや臭いがつきにくく落ちやすい・摩耗しにくいなどのメリットがあります。
銀歯の見た目や金属アレルギー、銀歯装着後の再虫歯でお悩みの方は、当院までお気軽にご相談ください。ご希望をおうかがいし、適切な素材をご提案させていただきます。