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ブログ予防歯科・ヘルスプロモーション

「プラークコントロール」これは歯科業界の中では頻繁に使用される言葉ですが、一般的にはあまり聞きなれない言葉なのではないでしょうか?このプラークコントロール、実は虫歯や歯周病に関わる重要な因子となります。

そこで、今回はプラークコントロールを正しく実践できるよう、その重要性とともに詳しく解説していきます。

 

プラークコントロールとは?

プラークコントロールとは、その名の通り歯垢(=プラーク)をどれだけ制御(=コントロール)できているかを指す言葉になります。簡単に言えば、「プラークを減らしてその環境を維持すること」です。

細菌の集合体であるプラークは、制御できていない状態、いわゆるプラークコントロールの悪い状態では、虫歯や歯周病など歯科疾患のリスクを高くする原因になります。

このようなトラブルが起きにくい環境をつくるプラークコントロールには、適切なセルフケアや定期的な歯科医院でのクリーニングが効果的です。

 

具体的な実践方法は?

歯磨きを丁寧に行う

プラークコントロールの基本は、毎日行う歯磨きです。

しかし、いくら食後に毎回歯磨きをしていると言っても、肝心のプラークが落とせていなければ、歯磨きの効果はほとんどありません。

「磨いている」よりも「磨けている」を意識して、最低でも1日に1回、特に細菌が活発になる就寝前には丁寧に磨くようにしましょう。

 

フロスや歯間ブラシを補助的に使用

歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは半分ほどしか除去することができません。

そこで取り入れるのが、歯間のプラークにアプローチする「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」です。初めて使う場合には、歯科医院でサイズや使い方の指導を受けて正しく使用するようにしましょう。

また、親知らずなど通常の歯ブラシでは届かない箇所には、先端の細い鉛筆のような形をした「タフトブラシ」を取り入れるのもおすすめです。

洗口液の活用

もちろん洗口液だけではプラークを除去できませんが、セルフケアの仕上げやどうしても歯磨きする時間がない時、殺菌作用を持つ洗口液の使用は細菌の抑制に効果的です。

細菌が抑制されると、プラークの形成が抑えられるだけでなく、虫歯や歯周病、口臭に対する予防効果が期待できます。

 

食習慣の見直し

「間食の回数が多い」「咀嚼回数が少ない」これらの食習慣は、

通常よりもプラークが形成されやすいことからプラークコントロールが難しい状態になるため、

少しずつでも改善が必要になります。

 

 

定期検診の受診

歯科医院では、歯ブラシでは落としきれないプラークや歯石などを除去するため、専用の器具を用いて満遍なくクリーニングを行います。

このクリーニングは付着物を排除するだけでなく、歯の表面を滑沢にすることで新たなプラークを着きにくくする、といったメリットもあります。

また、歯磨き指導ではプロによる個別のアドバイスを受けることで、セルフケアの質が向上し、良好なプラークコントロールの維持が見込めます。

歯垢染色剤の使用

プラークコントロールといっても、「自分でどのくらいできているか分からない」と思われた方もいるのではないでしょうか?実際、プラークは黄白色であるため、ご自身では判断が難しいでしょう。

そこで使用するのが、歯垢染色剤と呼ばれる、いわゆる染め出し剤です。自宅で使用できるもので定期的に染め出しを行い、磨き残しの場所や量を把握することは、プラークコントロールの向上につながります。

 

プラークコントロールが重要な理由

虫歯や歯周病のリスクを低減できる

歯科の二大疾患とされる、虫歯と歯周病の大きな原因はプラークです。プラークコントロールは、これらの発症と進行に大きな影響を与える因子でもあります。

たとえ詰め物や歯石取りで治療が終わったとしても、根本的な原因であるプラークコントロールを良くしなければ、高確率で再発します。これを繰り返すうちに歯の寿命が縮み、増加する治療費や通院回数によって、心身ともに疲弊してしまうことも珍しいことではありません。

生え変わりへの影響を防ぐ

乳歯から永久歯に変わる時期、プラークコントロールの悪さから発症した虫歯を放置してしまうと、永久歯の歯並びに悪影響を与えることがあります。虫歯によって欠損、または喪失した乳歯のスペースに隣接する歯が倒れ込み、生える予定だった後続の永久歯がズレてしまうことで「萌出異常」が起こるためです。

口臭を予防する

口臭の発生源は舌苔と呼ばれる舌の汚れや歯周病、唾液の不足などがありますが、プラークコントロールが悪いことでも口臭は発生します。これは、細菌が食べかすを分解することで臭気を放つことが原因です。

 

まとめ

プラークコントロールは、様々な疾患を誘発する病原因子であるプラークを、ゼロに近い状態に維持することが目的です。

プラークの多く存在する口腔内では、虫歯や歯周病、口臭のリスクが大きく膨れ上がってしまいます。質の高いコントロール状態にするには、歯磨き習慣にフロスなどの補助用具を取り入れたり、歯科医院で定期的にプロによるクリーニングを受けたりすることが効果的です。

定期的な歯科検診と毎日の丁寧なセルフケアを心がけ、良好なプラークコントロールと健康なお口を維持していきましょう。