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治療のこと

「あれ?歯と歯の間に黒ずみが・・・虫歯?」

「いつも歯磨きしてるのに・・・なんで歯の間に虫歯ができるの?」

歯と歯のあいだは歯ブラシが届きにくい箇所のひとつです。虫歯になりやすく、気がついたときには虫歯が象牙質まで進行していることも珍しくありません。

今回は「歯と歯のあいだに虫歯ができる理由」および「歯と歯のあいだの虫歯の治療方法」についてご説明します。

 

隣接面う蝕とは

歯と歯のあいだにできる虫歯です

歯と歯のあいだ、隣り合った歯の隣接面(歯のすき間、歯間)にできる虫歯を「隣接面う蝕(りんせつめんうしょく)」と呼びます。

隣接面う蝕ができやすい理由

歯と歯のあいだは歯ブラシの毛先が入りにくく、汚れや歯垢がたまりやすい箇所のひとつです。毎日しっかり歯磨きをしているつもりでも、歯と歯の隣接面には歯ブラシの毛先が入りにくいためどうしても汚れや歯垢が残ってしまい、虫歯にかかりやすくなります。

 

歯と歯の間の虫歯を見つけるポイント

歯と歯のあいだに黒い穴が開いている

歯と歯のあいだ(=隣接面)に黒い穴が開いている場合は虫歯の可能性があります。

歯と歯のあいだが黒ずんでいる

隣接面に虫歯ができ、歯の中の象牙質に虫歯が進行すると、歯と歯のあいだが黒ずむことがあります。表面上は黒い穴が見えなくても、歯と歯のあいだが黒ずんでいるときは要注意です。

デンタルフロスがひっかかる、切れる

歯のエナメル質が虫歯菌によって溶かされると、歯の表面がギザギザになります。ギザギザになった歯のあいだにデンタルフロスを通すと、フロスがひっかかったり切れたりすることがあります。

歯と歯のあいだに食べ物が挟まる

歯と歯のあいだに虫歯ができると歯の表面に穴が開き、食べ物が入り込んで挟まりやすくなります。

 

歯と歯の間の虫歯の治療法について

歯を削って詰め物や被せ物を装着します

歯と歯のあいだに虫歯があるときには、虫歯を削って詰め物や被せ物を装着する治療を行います。歯を小さく削った場合、保険ではコンポジットレジンを使って詰め物をします。自費ではセラミックにレジンをミックスしたハイブリッドセラミックスやハイブリッドレジンなどの素材を使い、詰め物による修復を行います。歯を大きく削った場合には保険では銀歯のクラウンやCAD/CAM冠、自費ではセラミックやゴールドのクラウンを使い、被せ物を装着します。

セパレーター(モジュール)を使った治療について

歯と歯のあいだはすき間が狭かったり、ほとんどすき間なく密着していたりする場合があります。このようなケースでは、セパレーター(モジュール)を使って歯と歯の間隔を広げ、治療を行います。

セパレーター(モジュール)とは、歯と歯の間隔を広げる器具で、大きく分けて2種類あります。ひとつは治療の際に歯と歯のあいだに挿し入れてその場で歯を広げるテコのような器具です。テコのセパレーター(モジュール)は主に、動きやすい前歯の隣接面う蝕に使用します。もうひとつは、直径3~5mmほどの小さなゴム製のリングです。リングを歯と歯のあいだに挿し入れて接着剤で固定し、1週間ほど装着して間隔を広げた後、歯を削る治療を行います。動きにくい奥歯の歯間を広げるときにリングを使うケースが多いです。

セパレーター(モジュール)のメリット

  • 歯の間隔を広げることで作業範囲が広がり、削る箇所を最小限に抑えることができる
  • 作業範囲が広がるため、虫歯ではない隣の歯を傷つけにくくなる

セパレーター(モジュール)のデメリット

  • 日本国内では、セパレーター(モジュール)を使用して虫歯治療を行う歯科医院が少ない(特に保険診療ではリングを使った奥歯のセパレーター(モジュール)治療はほとんど行われていない)。
  • 歯と歯のあいだを広げる際に痛みを感じることがある
  • リングを数日間~1週間程度装着する場合、痛みや違和感によりストレスを感じることがある
  • 奥歯は歯が動きにくく、セパレーター(モジュール)を適用できない場合がある

 

少しでも異変を感じた場合はぜひご相談ください

歯と歯のあいだの虫歯治療はセパレーター(モジュール)を使えるかどうかがカギになります。セパレーター(モジュール)の使用により、歯を削る範囲を最小限におさえることが可能です。余計に歯を削らずに済み、治療によって歯に与えるダメージも少なくなります。

もちろん、セパレーター(モジュール)に対応していない歯科医院が良くない、ということはありません。セパレーター(モジュール)は歯を広げる際に痛みを感じたり、奥歯など動きにくい場所によってはセパレーター(モジュール)自体を使えなかったり、とデメリットもあります。

歯と歯のあいだの虫歯は気づきにくく、見つけたときには虫歯が象牙質の中で大きく広がっているケースもあります。虫歯は早期発見・早期治療が大切です。「歯と歯のあいだが黒ずんでいる」「歯の隣接面に黒い穴やシミのような物が見える」など、歯に少しでも異変を感じた場合はなるべく早めに歯科医院を訪れ、診察を受けるようにしてください。

当院ではセパレーター(モジュール)による治療も行っておりますので、歯と歯の間の虫歯が疑われる場合には、お気軽にご相談ください。

 

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