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こんにちは!
歯科衛生士の平川です!
矯正後のリテーナーやマウスピースなど、透明な装置は見た目が自然で使いやすい反面、気になるのが「着色」。
最初は透明だったのに、黄ばんできたり白っぽく曇ってきたり…そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか?
今回は、マウスピースやリテーナーの着色の主な原因と、効果的なお手入れ方法についてご紹介します。
着色の主な原因は3つ
① バイオフィルム(細菌の膜)の蓄積
歯の表面と同様に、マウスピースにも細菌の膜=バイオフィルムが付着します。
これは毎日の水洗いやブラッシングが不十分な場合に蓄積しやすく、時間が経つと白っぽく曇ったり、黄ばみの原因になります。
② 飲食物による着色(ステイン)
コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレーなどの色素がマウスピースに付着することがあります。
食後すぐに歯磨きをせずに装着すると、歯に残った色素がマウスピースに移ってしまうことがあります。
③ 素材の劣化や洗浄剤との相性
長時間洗浄剤に浸けすぎたり、熱湯で洗うと素材が劣化し、黄ばみや変色につながることがあります。
製品によっては洗浄剤との相性が悪く、変色するケースもあります。
洗浄剤だけでは汚れは落ちない?
専用の洗浄剤を使っていれば十分と思われがちですが、実は洗浄剤だけではバイオフィルムの完全な除去は難しいとされています。
細菌の膜は薬剤でふやけても、そのままでは残ってしまうため、物理的なこすり洗いが必要です。
洗浄剤はあくまで「補助的な役割」と考え、日常の手洗いと併用することが大切です。
洗浄剤の使用頻度は?
市販の洗浄剤の多くは「1日1回」の使用を推奨しています。
これは毎日の汚れをリセットするという意味で理想的ではありますが、日々しっかりと水洗い・ブラッシングをしていれば、週1〜2回の使用でも清潔を保つことは可能です。
ただし、ムシ歯や歯周病のリスクが高い方、長時間装着している方、着色しやすい飲食習慣がある方は、頻度を多めにすると安心です。
着色を防ぐためのケア方法
・使用後はすぐに水洗い+柔らかいブラシでこすり洗い
・歯磨き粉は使わない(研磨剤で素材に傷がつく恐れあり)
・洗浄剤は週1〜2回でもOK(使用状況によって調整)
・飲食後は歯を磨く、またはしっかりうがいしてから装着
・熱湯、長時間の浸け置き・直射日光は避ける
まとめ
マウスピースやリテーナーの着色は、使い方とケアの仕方次第で十分に防げます。
洗浄剤だけに頼らず、日々の丁寧な手洗いと装着前後の口腔ケアを習慣づけることで、清潔な状態を長く保つことができます。
着色が気になってきたと感じたら、一度お手入れ方法を見直してみるのがおすすめです。