カテゴリー:
こんにちは。
歯科衛生士の松浦です。
そろそろ引っ越しシーズンに入るので、歯の治療が途中のまま引っ越される方がいらっしゃるのではないでしょうか。
歯の治療を途中で中断しそのまま放置すると、深刻なリスクが生じる可能性がありますので、起こりうるリスクについてご説明させて頂きます。
1. 虫歯や感染の再発・進行
治療途中の歯は、仮の詰め物や被せ物で保護されていることが多いですが、これらは長期間の使用を前提としていません。放置すると、隙間から細菌が侵入し、再度虫歯が進行したり、感染が拡大する恐れがあります。特に、根管治療(歯の神経を取り除く治療)を中断すると、歯の内部が再び汚染され、最悪の場合抜歯が必要になることもあります。
2. 治療の複雑化と費用の増加
治療を中断し再開するまでに時間が経過すると、虫歯や感染が進行し、より複雑な治療が必要となる場合があります。これにより、治療期間が延びるだけでなく、費用も増加する可能性があります。
通常の抜歯後の痛みは数日で落ち着きますが、ドライソケットは1~2週間痛みが続くことがあります。
3. 歯の破折や機能低下
治療途中の歯は、構造的に脆弱な状態にあります。この状態で放置すると、噛む力に耐えられず、歯が割れたり、欠けたりするリスクが高まります。
結果として、噛む機能が低下し、食事や日常生活に支障をきたすことがあります。
4. 歯周病の進行
治療を中断すると、口腔内の衛生状態が悪化し、歯周病が進行するリスクが高まります。歯周病は歯を支える骨や組織を破壊し、最終的には歯の喪失につながる可能性があります。
5. 咬合不全や顎関節症のリスク
治療途中の歯があると、噛み合わせのバランスが崩れ、他の歯や顎関節に過度な負担がかかることがあります。これにより、咬合不全や顎関節症を引き起こす可能性があります。
まとめ
これらのリスクを避けるためには、治療を計画的に進め、途中で中断しないことが重要です。
引っ越しの予定がある方は事前に教えて頂けると、治療の計画がたてられます。
もし様々な理由で治療を中断してしまった場合は、できるだけ早く歯科医師に相談し、適切な対応を受けることをお勧めします。