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ブログ矯正治療

自分の顔を鏡で見て、下顎が前に出ていることを気にしたことはありませんか。

このような状態を「しゃくれ」と呼びますが、実はしゃくれにはいくつかの種類があります。

その中でも、上の歯よりも下の歯が前に出ている状態を「受け口」と呼びます。受け口としゃくれは見た目が似ていますが、厳密には異なるものです。

では、受け口としゃくれの違いは何でしょうか。

また、受け口やしゃくれを放置するとどんなリスクがあり、治す方法はあるのでしょうか。

 

受け口としゃくれは違う

一般的に受け口としゃくれは、同じ意味として認識されていることが多いですが、厳密には異なります。受け口は、上の歯よりも下の歯が出ている状態のことを指し、「反対咬合」や「下顎前突」とも呼ばれています。一方、しゃくれは下顎が前に突き出したように見える輪郭のことです。つまり、受け口は「歯の位置」が原因で、しゃくれは「骨格」が原因ということになります。しかし、受け口の場合も下顎が飛び出たように見えたり、骨格が影響していたりすることもあるため、しゃくれと同じ意味で使用されることも多くあります。

 

受け口としゃくれの原因は?

受け口の原因

受け口になる原因は、遺伝、骨格(上顎の劣成長や下顎の過成長)、生活習慣の3つが大きく関係しています。遺伝は、親から受け継ぐ可能性が高いものです。骨格は、成長する過程で上顎が小さくなったり、下顎が大きくなったりすることで起こります。生活習慣は、頬杖をつく癖や、食べ物を噛む際に一方の歯ばかりを使ってしまう癖、舌で下の歯を押す癖などがあります。これらの小さなことが、毎日繰り返されることで骨格にも影響していきます。

しゃくれの原因

しゃくれになる原因は主に2つあります。1つは上顎の成長が不足していることによって、下顎が突出しているように見える例です。もう1つは、通常より下顎の骨の長さが目立ち、下顎が出て見える状態です。上顎の成長不足は、遺伝的な要因や、口呼吸、アレルギーなどによる鼻呼吸の障害が原因となることがあります。下顎の骨が長い場合は、遺伝的な要因や、成長期にホルモンのバランスが崩れることが原因となるケースがあります。

 

受け口としゃくれを放置するリスク

歯の健康が損なわれる

受け口やしゃくれによって、かみ合わせが合わず歯に過度な負担がかかる可能性があります。これが長期にわたると、歯肉が退縮し、歯がグラグラしはじめることがあります。最悪の場合、歯が抜け落ちる可能性もあります。早期治療によりこれらのリスクは減少します。

骨格的なあごの歪みが進行する

歯並びが悪いと正しく噛めないため、あごが歪む可能性が高くなります。この歪みは、短期間では目立たないかもしれませんが、時間が経つと顕著になる場合があります。あごが歪む結果、更に受け口やしゃくれの治療が困難になることもあります。

食事や発音に制限が出る

受け口やしゃくれによって、食事や発音も影響を受けます。空気が抜けてしまうことで発音が難しくなることがあり、これは人前で話す時や日常での会話に影響を及ぼす可能性があります。食事時にも前歯で食べ物を噛み切るのが難しくなる場合があります。良く噛み切れないことで、消化器官に負担がかかり健康に影響を及ぼすこともあります。

顎関節症のリスクが高まる

受け口やしゃくれの状態は、顎関節にも負担がかかりやすく、顎関節症になる可能性が高くなります。顎関節症は、口を開けたときの顎関節の痛みや、口の開けづらさなどの症状を引き起こします。さらに、頭痛や肩こりなどの全身的な不調が出ることもあります。

 

反対咬合(受け口・しゃくれ)の治療方法

受け口の治療方法

受け口の治療方法は大きく分けて2つあります。1つは歯並びを整えることで受け口を改善する歯列矯正です。もう1つは顎の骨を切って受け口を改善する手術を行う外科矯正です。受け口の場合、基本的には歯列矯正で治療が可能なことがほとんどです。しかし受け口でも骨格に重度の問題がある場合は、外科手術による骨切りが必要になります。歯列矯正は、ワイヤーやマウスピースなどを用いて、歯の傾きや位置を調整していきます。治療期間は2~3年程度必要となるケースが多いです。

外科矯正を行う場合は顎の骨を切って移動させることで、上下の顎のバランスを整える手術を行います。手術は全身麻酔下で行われ、入院期間は約1週間必要になります。手術後は、歯列矯正を併用することが多いです。外科矯正は、受け口の程度や年齢によって適応が異なりますが、一般的には成人の重度の受け口に対して行われます。

しゃくれの治療方法

しゃくれの治療方法は、受け口と同様に歯列矯正と外科矯正の2つがあります。歯列矯正は、上顎の歯を前に出すことで、下顎の突出を目立たなくする効果があります。また、下顎の歯を後ろに引っ込めることもできます。

しかし骨格的な問題が主なため、外科矯正の方が改善されるケースが多いでしょう。外科矯正では骨を切って移動させる方法や、顎を短く切る手術などが採用されます。手術は全身麻酔下で行われ、こちらも入院期間は約1週間必要です。

 

まとめ

受け口やしゃくれは治療を行うことで改善できるものです。そのまま放置していると様々なリスクも考えられます。受け口やしゃくれが気になったらまずは歯科医院で相談してみましょう。