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こんにちは、歯科衛生士の松浦です。
「まだ小さいのに口が臭うのはどうして?」
「虫歯じゃないのに朝起きるとにおいがする…」
など、歯科医院でもお子さんの口臭についてのご相談は意外と多く寄せられます。
大人と比べて子供は代謝も活発で元気なのに、なぜ口臭が出てしまうのか、不安に感じる親御さんも多いでしょう。
今日は、子供の口臭の原因と、ご家庭でできる対策、そして受診の目安について詳しくご紹介します。
子供の口臭の主な原因
1.歯みがき不足や虫歯
子供はまだ手先の動きが不十分で、きちんと歯を磨いているつもりでも汚れが残りがちです。
特に乳歯は歯と歯のすき間が広かったり、奥歯の溝が深かったりして、磨きにくい部分に食べかすが残ってしまいます。
そこから細菌が繁殖し、においの原因になります。
2. 口呼吸による乾燥
鼻づまりや癖で口呼吸になっているお子さんも多く見られます。
口呼吸をするとお口の中が乾きやすく、唾液の自浄作用が低下して、細菌が増えてしまいます。
結果として、口臭が強くなりやすいのです。
3. 舌の汚れ(舌苔)
舌の表面に白っぽい汚れがたまることがあります。これは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれるもので、食べかすや細菌のかたまりです。
大人と同じように、子供でも舌苔が厚くなると、独特のにおいを発することがあります。
4. 扁桃腺や鼻の病気
虫歯や歯ぐきに問題がなくても、のどや鼻に炎症がある場合、膿や炎症のにおいがお口から出てしまうこともあります。
「歯を磨いても治らない口臭」の場合は、このような背景が隠れている可能性もあります。
お家で出来る対策
仕上げ磨きは小学校高学年まで
「もう自分で磨けるから大丈夫」と思っていても、実際には磨き残しが多いです。
手先が器用になる小学校高学年までは、親御さんが仕上げ磨きをしてあげましょう。
歯と歯の間は、フロス(糸ようじ)を使ってお掃除しましょう。
舌のお掃除
舌苔が多い場合は、やさしくケアをしてあげましょう。
子供用の舌ブラシやガーゼで、奥から手前に軽くぬぐう程度で十分です。
強くこすると舌を傷つけてしまうので注意してください。
水分補給と唾液の流れを促す工夫
水やお茶をこまめに飲むことで口の中を潤すことができます。
また、よく噛んで食べる習慣をつけると唾液の分泌が促され、自然と口臭予防につながります。
規則正しい生活習慣
夜更かしや不規則な生活は体調不良や免疫力低下を招き、口臭の悪化にもつながります。
食事・睡眠・運動のリズムを整えることも、実は口臭予防の基本です。
こんなときは歯医者さんへ
• きちんと磨いているのに口臭が続く
• 虫歯や歯ぐきの腫れがある
• 朝だけでなく日中も強いにおいがする
• のどの痛みや鼻づまりを繰り返している
こうした場合は、一度歯科医院でチェックしてもらうことをおすすめします。
まとめ
子供の口臭は「ただの磨き残し」と思われがちですが、実は口呼吸や舌の汚れなど原因があります。
当院ではお子さんの歯みがき指導や仕上げ磨きのコツもお伝えしておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
