子どもの奥歯に潜むムシ歯リスク「頬面溝」とは？　  スタッフブログvol.280

こんにちは、歯科衛生士の南園です!
今日は、小学生以下のお子さんをお持ちの保護者の方に向けて、「頬面溝（きょうめんこう）」についてお話しします。
「頬面溝（きょうめんこう）」とは、奥歯のほっぺた側（頬側）にある小さな溝のこと。この部分はとても見えにくく、汚れがたまりやすいため、ムシ歯になりやすい“盲点”です。
今回は、そんな頬面溝と、ムシ歯予防のための「シーラント」について、保護者の皆さまにぜひ知っておいていただきたいポイントをまとめました。

 

頬面溝ってなに？

奥歯を横から見たときに、表面に細いスジのような溝が見えることがあります。これが「頬面溝」です。
これは歯の自然な形の一部で、生えたばかりの永久歯や乳歯には特に深くくっきりと現れることがあります。
この溝、実は食べかすや細菌が溜まりやすく、歯ブラシも届きにくい場所。しかも、お子さん自身では気づきにくく、保護者の方からも見えにくい位置なのです。

 

なぜムシ歯になりやすいの？

〇溝が深くて複雑な形をしている
〇唾液の流れが届きにくく、汚れが流れにくい
〇生えたばかりの歯はまだ歯質が弱く、ムシ歯に対してデリケート

このような理由から、頬面溝はムシ歯のリスクが高い場所。とくに6歳臼歯（第一大臼歯）は注意が必要です。

 

そこで「シーラント」の出番！

「シーラント」は、歯の溝をプラスチックのような材料で埋めて、ムシ歯の原因が入り込まないようにする処置です。
歯を削ることなく行える、とてもシンプルで効果的なムシ歯予防法のひとつです。
通常は噛む面に行うことが多いのですが、頬面溝にも同じようにシーラントを施すことができます。
歯の表面をクリーニングして乾燥させ、シーラント材を流して光で固めるだけ。痛みもなく、短時間で終わる処置なので、小さなお子さんでも安心です。

 

「シーラント」こんなお子さんにおすすめです！

〇生えたばかりの奥歯がある
〇歯医者さんで「溝が深い」と言われたことがある
〇ブラッシングがまだ不十分で、磨き残しが多い
〇これまでにムシ歯になったことがある

また、シーラントは一度したら終わりではなく、経年で外れることもあるため、定期的なチェックとメンテナンスが大切です。

 

まとめ

見えにくい場所こそ、しっかり予防を！

ムシ歯は「痛くなってから」ではなく、「なる前に防ぐ」ことがとても大切です。
頬面溝のように、普段あまり意識しない場所も、プロの目でチェックすることでリスクを未然に防ぐことができます。
お子さんの大切な歯を守るために、今できることからはじめてみましょう。
当院では定期メンテナンス時に、年齢に合わせて必要な情報を提供していますので、どうぞお気軽にいらして下さい。