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春ですね。
春休み、定期健診にこられるお子さんも多くいらっしゃいます。
「ムシ歯はありましたか?」
と保護者の方から聞かれ、
「注意が必要な部位はありますが、まだ治療はせずに様子を見ましょう」
ということがあります。
ムシ歯になりかけだけれども、経過観察をする。定期健診で進行が認められたら治療をする、という意味です。
ただし、こういう場合、多くは「学校歯科検診」で引っかかる可能性があります。
学校の歯科健診の目的
学校歯科検診とは、歯医者さんがやってきて、次から次へと生徒の口の中をチェックし、ムシ歯がないか、歯ぐきが腫れていないか、歯並びはどうかを診断する健診です。
ムシ歯です、と書かれた紙を持って帰って衝撃を受けた、と言われる方もいますが、これはいわゆる「スクリーニング検査」といって、ふるい分けをするもの。
つまり、異常があるかないか、をざっくりふるい分けて正確には歯科医院で診てもらってね、というものなのです。
ですので目で見てちょっと黒いな、気になるな、でもすぐにチェックはついてきます。
歯科医院でのレントゲン検査
実際のムシ歯はきちんと歯科用のライトで拡大鏡にて確認し、その上でレントゲン検査を行わないと診断できません。レントゲンで確認しても実際に削ったらムシ歯が思った以上に広がっていた、ということも多々あります。
それは通常レントゲンは2次元であるため、という意味もあります。
医療系ドラマのオペシーンで「手術でお腹を開いたら思った以上に病巣が広がっていて」等とよく言いますが、ムシ歯や歯周病も同じようなことが起こる可能性はあるのです。
ムシ歯になりかかっている部位の様子見って…
だったらムシ歯になりかかっている部位も全部早めに治療したほうが良くないかな?と思うかもしれません。
でもムシ歯という疾患の最も厄介な部分はとにかく繰り返し発症するということ。
とくに乳歯は永久歯に比べてムシ歯になりやすく、治療しても治療しても再発してしまいます。
しかし一つの歯は5~6回までしか治療できません。治療すればするほど、歯の寿命を縮めることになるのです。
虫歯にならないことが大切!そのためには定期的な予防を
そう考えるとやはり一番大事なのは予防する、ということです。ムシ歯かどうか、よりどうしたらムシ歯にならないか、ムシ歯にならないためにはどうすべきか、を私達は常に伝えたいと思っています。
今治療して穴の開いた歯を埋めるより、その説明のほうが長い目でみて絶対に患者さんの利益につながるとそう信じているからです。
ちなみに学校歯科検診で引っかからなかったとしても、定期的に歯医者さんは来てくださいね。学校歯科健診でぱっと見るだけでは、なかなか異常は見つかりにくいものですので。
スタッフ一同お待ちしております。